在宅酸素療法とは
在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy)は、その頭文字からHOT(ホット)と呼ばれています。
現在、日本国内では約18万人の患者様がHOTを利用しています。※1
この治療法が用いられる疾患は多岐にわたり、最も多い順から、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺線維症や間質性肺炎、そして肺がんとなっています。※2

(呼吸不全に関する在宅ケア白書2024)
COPDとは
COPDは、世界的な死亡原因の第4位にランクインしている深刻な病気です。2021年には、世界中で約350万人がCOPDで亡くなっています。※3
COPDは、主にタバコの煙に含まれる有害物質を長期間吸い込むことで、気道や肺に炎症が起こります。COPDの危険因子には、タバコ以外にも以下の因子が挙げられます。
COPDによる炎症によって、気流閉塞や動脈的肺過膨張が起こると、呼吸困難の症状を引き起こします。さらに、肺胞壁の破壊によって肺毛細血管床が減少するとガス交換障害や、肺血管抵抗性が上昇し、肺高血圧などの症状を引き起こします。
- 喫煙:能動喫煙もしくは受動喫煙によるタバコへの曝露
- 職業性曝露:職業上の粉塵、煙もしくは化学物質への曝露
- 大気汚染物質:バイオマス燃料(木材、動物の糞、作物残渣)や石炭の煙への曝露
- 幼少期の病歴:胎児期の発育不良または、小児期の喘息もしくは呼吸器感染症
- 遺伝的要因:α1アンチトリプシン欠乏症などの遺伝によるもの。
HOT適応に該当する疾患
- 在宅酸素療法指導管理料の「その他の場合」に該当する在宅酸素療法とは、諸種の原因による高度慢性呼吸不全例、肺高血圧症の患者、慢性心不全の患者のうち、安定した病態にある退院患者及び手術待機の患者又は重度の群発頭痛の患者について、在宅で患者自らが酸素吸入を実施するものをいう。
- 在宅酸素療法指導管理料の「その他の場合」の対象となる患者は、高度慢性呼吸不全例のうち、在宅酸素療法導入 時に動脈血酸素分圧 55mmHg 以下の者及び動脈血酸素分圧 60mmHg 以下で睡眠時又は運動負荷時に著しい低酸素血症を来す者であって、医師が在宅酸素療法を必要であると認めたもの、
- 慢性心不全患者のうち、医師の診断により、NYHAⅢ度以上であると認められ、睡眠時のチェーンストークス呼吸がみられ、無呼吸低呼吸指数(1時間当たりの無呼吸数及び低呼吸数をいう。)が 20 以上であることが睡眠ポリグラフィー上確認されている症例
- 関連学会の診断基準により群発頭痛と診断されている患者のうち、群発期間中の患者であって、1日平均1回以上の頭痛発作を認めるものとする。
(参考:令和6年3月5日保医発0305第4号等)
HOT導入のながれ
①検査
動脈酸素分圧もしくはパルスオキシメーターによる酸素飽和度からPaO2を測定し、導入の検討を行います。
診療報酬
| D211-3 時間内歩行試験 | 200点 |
| D211-4 シャトルウォーキングテスト | 200点 |
| D223 経皮的動脈血酸素飽和度測定(1日につき) | 35点 |
| D223-2 経皮的動脈血酸素飽和度測定(一連につき) | 100点 |
※診療報酬に関する情報や算定条件の詳細は、必ず厚生労働省が定める最新の情報をご確認いただけますようお願いいたします。
(参考:令和6年厚生労働省告示第57号及び令和6年3月5日保医発0305第4号等)
②診断
患者様の症状やライフスタイルに合わせて、酸素濃縮装置、液化酸素装置、携帯酸素濃縮器、携帯用ボンベから、使用する機器と組み合わせを選定します。
また、安静時、労作時、睡眠時における酸素流量を検討します。
③患者様への説明
患者様に在宅酸素療法を行う必要性を十分にご理解頂いたうえで、酸素流量と吸入時間の遵守、安全に利用するための注意点、緊急時の対応方法などをご説明します。
④装置の設置
医療機関の指示に従い、バイタルエア・ジャパンが患者様宅へ訪問し、機器の設置、操作説明、お手入れ方法、保守点検などの説明を行います。
⑤定期受診・訪問診療
HOTは、定期的な受診が必要になります。
定期外来の際には、身体的所見やパルスオキシメーターを使用した酸素飽和度などの評価を行います。
診療報酬
| C103 在宅酸素療法指導管理料 2その他の場合 | 2400点 |
| 遠隔モニタリング加算(※1、2) | 150点 |
| C157 酸素ボンベ加算 | 880点 |
| C158 酸素濃縮装置加算 | 4000点 |
| C159-2 呼吸同調式デマンドバルブ加算 | 291点 |
| C171 在宅酸素療法材料加算 2その他の場合 | 100点 |
※1別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に限り算定する。
※2 日本呼吸器学会「COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン」の病期分類でⅢ期以上の状態となる入院中の患者以外の患者について、前回受診月の翌月から今回受診月の前月までの期間、情報通信機器を活用して、脈拍、酸素飽和度、機器の使用時間及び酸素流量等の状態について定期的にモニタリングを行った上で、状況に応じ、療養上必要な指導を行った場合に、2月を限度として来院時に算定することができる。
※診療報酬に関する情報や算定条件の詳細は、必ず厚生労働省が定める最新の情報をご確認いただけますようお願いいたします。
(参考:令和6年厚生労働省告示第57号及び令和6年3月5日保医発0305第4号等)
在宅酸素療法レンタルのながれ

- 1 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450048&tstat=000001029602&cycle=7&tclass1=000001229285&tclass2=000001229286&tclass3=000001229287&stat_infid=000040282516&result_page=1&tclass4val=0&metadata=1&data=1
- 2 https://www.jrs.or.jp/publication/file/Respiratory_Care_White_Paper_2024.pdf
- 3 https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/chronic-obstructive-pulmonary-disease-(copd)